【新唐人2013年11月27日付ニュース】中国国防省が23日発表した東シナ海の「防空識別圏」には日本、台湾、韓国と領有権を争っている諸島も含まれています。中国当局の指令に従わない航空機に対しては武力措置を講じると宣言しました。中国の一方的な行動はアメリカの批判を招き、東アジアでも波紋を広げています。
中国が設定した東シナ海の「防空識別圏」には、韓国済州島(チェジュとう)の西南上空も含まれ、韓国側の防空識別圏と重なっています。また、中韓が管轄権を争う東シナ海の暗礁・離於島(イオド)(中国名・蘇岩礁)も含まれ、韓国側は遺憾の意を示しました。
韓国国防省報道官 キム・ミンソク氏
「中国は一方的に防空識別圏を設定しました。その防空識別圏が我々の防空識別圏と重複しています。政府は現段階で通報しないで、航空機を通過させる方針です」
韓国では自国領土の延長であると見なされている離於島(イオド)。実は日本の防空識別圏の範囲内に設定されており、韓国の航空機が通過する際は事前に日本に通報しています。しかし、中国がこの空域を防空識別圏に設定したことについて、韓国側は容認し難いとして、11月末に協議を行なう予定だそうです。
岸田文雄外務大臣
「中国がこういった空域を設定して、自国の規則に従うことを義務づける。こうしたことは東シナ海における現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、現場空域に置いて、不測な事態を招きかねない。非常に危険なものである」
中国が大々的に韓国、日本、台湾と重なる空域を防空識別圏に設定したことは、東シナ海の現状に対する挑戦であると見なされています。ウォール・ストリート・ジャーナルは、今後注視すべき点は、日本とアメリカの航空機が防空識別圏に入った場合、中国がどう反応するかだと分析しています。
台湾民進党政策会首席執行官 吳釗燮氏
「一方的な現状改変が目的で、アジア太平洋地域の緊張を高め、地域の安定と平和を破壊しています。もし世界各国が実際の行動で、中共の拡張主義を阻止できなければ、中共の対外軍事行動を支持するのと同じです」
中国当局は政権樹立以来、初めて防空識別圏を設定しました。ベトナムやシンガポールなどのアジア諸国も事態の進展を注視しています。また、東シナ海の防空識別圏の設定は各国の反応を見るためのものであり、中国の次の目標は南シナ海の防空識別圏の設定である可能性があるとの分析もあります。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2013/11/25/atext1011829.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)